6月16日放送
誰のための公共事業 ~ギロチンが宝の海を壊した~

悪名高い「ギロチン」が諫早湾奥部を閉め切った国営諫早湾干拓事業、通称「諫干」。閉め切りから早四半世紀が過ぎた。

かつて「宝の海」と呼ばれた有明海は、赤潮、貧酸素水塊が頻発し、漁船漁業、採貝漁業が深刻な打撃を受け、名物のノリ養殖も不安定な漁を強いられている。漁業者たちは「諫干」こそが原因であると、潮受け堤防排水門の「開門」を求め続けている。

研究者たちにより、これらの有明海の異変は「諫干」が原因であることが現在では明らかになっている。しかし国はその因果関係を否定し続け、有明海の再生を口先ではうたいながら、異変の原因を検証するための「開門」調査を強固に拒む。そんな国の態度を後押しするかのように、かつて「開門」判決を出した司法も、自身が出した判断を反故にする「非開門」の姿勢に転じた。

巨大公共事業「諫干」は誰を幸せにしたのか。その是非を問う。


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製作:RKB毎日放送
ディレクター:里山千恵美